この記事でわかること

  • 料金を比較する施設の選び方と、清掃費を含めた比べ方
  • 平日・週末・繁忙期の料金を決める考え方
  • 予約の入り方を見ながら、料金を見直す手順

「民泊は1泊いくらにすればいい?」という質問に、どの物件にも当てはまる金額はありません。同じ部屋でも、泊まる日や人数、周辺の空室状況によって選ばれやすい料金は変わります。

まずは似た施設を調べて仮の料金を決め、予約の入り方を見ながら調整する。この繰り返しが、宿泊料金を決める「プライシング」の基本です。満室にすることだけでなく、売上と経費を引いた残額も一緒に見ていきましょう。

まずは、条件が似た施設を比べる

同じエリアにあるだけでは、比較対象として十分とは限りません。2人用のワンルームと、家族6人で泊まれる一棟貸しでは、ゲストが比べる相手も変わります。

比較するときに揃えたい条件

  • 宿泊日、泊数、実際に泊まる人数
  • 駅からの距離や、目的地への行きやすさ
  • 部屋の広さ、寝室数、ベッドの数と種類
  • キッチン・洗濯機などの設備と、内装の雰囲気
  • レビューの件数・評価と、キャンセル条件

最初は3~5件以上を目安に、同じ条件で検索して記録してみましょう。宿泊日を変えると比較できる施設も変わるため、平日と週末など複数の日程で確認します。

Airbnbには類似施設を比較する機能もあります。ただし、そこで示される1泊料金と、清掃費や割引等を反映した予約全体の金額は同じではありません。掲載中の料金も、実際に予約が成立した料金とは区別して見ましょう。

機能の説明:Airbnb「類似するリスティングと比較する」。公開カレンダーの予約不可表示だけでは、予約済みか、ホストが日程を閉じているかは判断できません。

1泊料金だけでなく、清掃費込みで見る

1泊料金が安くても、清掃費を加えると別の施設より高くなることがあります。特に短い滞在では、予約ごとにかかる清掃費の影響が大きくなります。

以下は比較方法を説明する架空例です。同じエリア・4人で泊まる部屋を想定しています。実在施設の料金や相場ではありません。

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施設定員・設備の例1泊料金清掃費/1予約2泊+清掃費3泊+清掃費
A4名・ダブルベッド2台14,000円6,000円34,000円48,000円
B4名・ダブルベッド2台15,000円3,000円33,000円48,000円
C4名・寝室2室16,000円4,000円36,000円52,000円

計算:1泊料金×泊数+清掃費。全施設にキッチン・洗濯機がある想定です。比較を単純にするため、割引・追加人数料金・予約サイトのゲストサービス料・宿泊税等は含めていません。実際にはそれらを含む支払総額で確認します。

Aは1泊料金が最も安くても、2泊ならBより高く、3泊では同額です。Cは金額だけなら高めですが、寝室を分けたいゲストには選ぶ理由があります。価格の差と、部屋の条件の差をセットで見るのがポイントです。

清掃費を低く見せること自体が目的ではありません。ゲストに設定する清掃費と外注費が異なる場合も含め、予約全体で経費をまかなえるかを確認します。

平日・週末・繁忙期で仮の料金を決める

周辺の料金が見えてきたら、まずは通常の平日と週末を分けて設定します。そのうえで、連休やイベントなど、自分のエリアで需要が変わりそうな日を個別に確認しましょう。

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日程の例仮の1泊料金確認すること
通常の平日14,000円同じ人数・日程の競合と比べ、予約の入り方を見る
通常の週末17,000円平日より高くても選ばれる需要があるか
連休・イベント日20,000円開催場所との距離や、周辺の料金・空室状況

金額は考え方を示す架空例で、おすすめ価格ではありません。物件・地域によっては週末より平日の需要が強い場合もあります。

Airbnbでは日付ごとに料金を設定できます。料金を変更しても、すでに確定済み・保留中の予約へ新しい金額が反映されるわけではありません。

設定の確認:Airbnb「1泊料金の設定とカスタマイズ」

下げる前に、残るお金を確認する

値下げで宿泊日数が増えても、売上が増えるとは限りません。たとえば、1泊15,000円で20泊なら宿泊料金部分の売上は30万円。1泊12,000円に下げて24泊になっても、28万8,000円です。

これはある1か月だけの架空の比較です。清掃費などの収入や経費は含みません。さらに短い予約が増えれば、清掃・リネン交換・ゲスト対応の回数も増える可能性があります。

料金を見直すときのお金の確認

  • 宿泊料金と清掃費など、ゲストから受け取る金額
  • 予約サイトのホスト負担手数料を引いた受取額
  • 清掃・リネン・消耗品・運営委託などの費用
  • 月全体で家賃・通信費等の固定費をまかなえるか

「ここまで下げてもよい」という目安は、売上だけでなく経費まで含めて決めておきます。開業前の試算方法は、民泊の初期費用と収支の考え方で詳しく紹介しています。

予約サイトの手数料は適用される料金体系を確認してください。Airbnbのサービス料の公式案内では体系の移行も案内されています。以前の料率をそのまま使わず、管理画面の受取額で確かめましょう。

予約の入り方を見ながら、少しずつ調整する

たか社長の動画「プライシングのコツと考え方」でも、周辺の料金と、自分の予約状況を見ながら見直す考え方を紹介しています。見るのは空室の数だけでなく、宿泊日まであと何日あるかです。予約日から宿泊日までの期間を「リードタイム」と呼びます。

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こんな状況なら次に確認すること
かなり先の日程まで早く埋まる安すぎる可能性もある。今後の未予約日で少し高い料金を試す
宿泊日が近いのに空いている競合の総額と、最低宿泊日数・受付期限など予約条件も確認する
週末は埋まるが平日は空く全日程を値下げせず、平日の料金や連泊条件を見直す
値下げしても動きがない写真、レビュー、設備の伝わり方、検索した日程で予約できるかを見直す

これらは判断の例で、必ず値上げ・値下げするというルールではありません。予約が何日前に入りやすいかは施設ごとに違います。実績が増えたら、前月全体よりも同じ曜日・季節・予約までの残り日数で比べると判断しやすくなります。

最初は毎日短時間でもカレンダーを見る習慣をつけ、変更日・対象日・変更前後の料金・その後の予約をメモしましょう。複数の設定を一度に変えすぎない方が、次の判断に生かしやすくなります。

自動料金調整を使うときも、総額を確認

Airbnbのスマートプライシングでは、最低料金と最高料金を設定して自動調整できます。ただし、割引の適用によって、ゲストが支払う宿泊料金が設定した最低料金を下回る場合もあります。

自動化を使う場合も、連泊割引・日付別料金・清掃費を含めた見え方と、ホストの受取額を定期的に確認します。自分で見直す時間が取れない場合は、料金調整だけを任せられるかなど、運営業務の分担から考える方法もあります。

出典:Airbnb「スマートプライシング」。機能・手数料情報は2026年9月28日確認。

今日から始めるなら

  1. 同じ日程・人数で、条件が似た施設を3~5件以上比較する
  2. 平日・週末の仮の料金と、経費から考えた値下げの目安を決める
  3. 予約が入る時期と受取額を記録し、未予約日の料金を見直す

最初から正解を当てようとするより、自分の施設の予約実績をためながら調整していきましょう。

2025年公開の動画です。動画内の金額は当時の説明例で、現在の相場や収益を保証するものではありません。