この記事でわかること
- 初期費用と毎月の経費の分け方
- 宿泊日数・清掃回数を入れた収支の計算例
- 年間収支、資金繰り、回収期間の確認方法
「民泊はいくらあれば始められる?」という質問には、物件と制度、部屋の状態、任せる業務によって答えが変わります。まずは開業までに出ていくお金・運営中にかかるお金・予備資金に分けて考えましょう。
初期費用は、部屋づくりだけではない
賃貸物件では敷金・礼金・仲介手数料・保証会社の費用などがかかります。敷金や保証金は精算後に返還される部分があっても、最初に必要な現金です。保証会社の保証料とは区別し、返還条件や更新料まで確認します。
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| 項目 | 用意する資金 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 契約関係 | 50万円 | 敷金・礼金・仲介・保証会社等 |
| 申請・設備・改修 | 60万円 | 行政手続き、消防設備、必要工事等 |
| 家具・家電・備品 | 60万円 | 寝具、家電、カーテン、消耗品等 |
| 撮影・開業準備 | 10万円 | 写真、案内資料、設置作業等 |
| 開業前の家賃等 | 20万円 | 準備期間中の固定費 |
| 開業前の支出・預け金 | 200万円 | これに運転資金・予備費を別途用意 |
建物全体の消防対応、大きな改修、不動産購入費などは、この例に含めていません。工事が必要なら、契約を決める前に見積もりを取ります。
毎月の経費を、固定費と変動費に分ける
固定費は予約が少なくても発生するお金、変動費は宿泊数や予約数に応じて増減するお金です。光熱費などは両方の性質がありますが、最初は項目ごとに想定を置けば十分です。
固定費の例
家賃・管理費、通信費、保険、システム利用料、固定の管理料。
変動費の例
清掃・リネン、消耗品、予約サイト手数料、売上連動の運営委託料、光熱費の使用分。
自分で清掃する場合も、移動や洗濯を含む作業時間を把握します。現金支出を減らせても、仕事がなくなるわけではありません。
Airbnbの手数料は、実際にアカウントへ適用される料金体系で計算します。公式案内ではシングルサービス料への移行が示されており、以前の「ホスト負担3%」を全員共通の前提にするのは避けましょう。
出典:Airbnb「サービス料」。下の15.5%は計算用の仮定であり、すべてのホストへの適用を示すものではありません。
売上と利益を、数字で見てみよう
ここでは、1泊15,000円、月20泊、平均滞在2.5泊として、予約・清掃は月8回と仮定します。清掃費はゲストから1予約7,000円を受け取り、外注先にも1回7,000円を支払う想定です。
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| 項目 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|
| 宿泊売上 | 15,000円 × 20泊 | 300,000円 |
| 受取清掃費 | 7,000円 × 8予約 | 56,000円 |
| 売上合計 | 宿泊売上 + 受取清掃費 | 356,000円 |
| 予約サイト手数料 | 356,000円 × 仮定15.5% | 55,180円 |
| 家賃・管理費 | 月額 | 100,000円 |
| 清掃・リネン費 | 7,000円 × 8回 | 56,000円 |
| 光熱・通信費 | 想定 | 25,000円 |
| 消耗品 | 想定 | 10,000円 |
| 修繕等の予算 | 月平均の想定 | 10,000円 |
| 経費を引いた残額 | 356,000円 − 256,180円 | 99,820円 |
経費を引いた残額は、運営委託料・自分の人件費・税金・減価償却・借入返済を考慮する前の簡易試算です。宿泊税等を預かる場合は売上と分けて管理します。入門記事の簡易例とは、手数料や清掃費の受取りなどの条件が異なります。
受取清掃費と外注清掃費が同額でも、受取清掃費に予約サイト手数料がかかれば、その分は負担になります。収入と支出を別々に書くと見落としを防げます。
予約が少ない月も試算する
上の条件から宿泊数を変えてみます。料金と平均滞在日数は同じとし、光熱・通信費などの仮定も固定して比較します。
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| 月間宿泊数 | 予約・清掃回数 | 売上合計 | 経費を引いた残額 |
|---|---|---|---|
| 10泊 | 4回 | 178,000円 | −22,590円 |
| 15泊 | 6回 | 267,000円 | 38,615円 |
| 20泊 | 8回 | 356,000円 | 99,820円 |
この仮定では、1泊あたりの負担をならすと約12泊が損益分岐の目安です。今回は、ゲストに請求する清掃費と外注費を同額にしています。実際には、料金設定の工夫として両者を異なる金額にする場合もあるため、1予約ごとの差額も収支に反映しましょう。
年間収支と、手元資金を確認する
住宅宿泊事業の場合は年間180日以内なので、毎月20泊を12か月続ける想定は使えません。営業できる期間と年間日数の上限を反映し、閑散期の家賃も含めて12か月分を作ります。
たとえば年間180泊・72予約で上と同じ料金と費用を置くと、年間売上は3,204,000円、経費を引いた残額は463,380円です。開業前の資金200万円をこの経費を引いた残額で単純に割ると約4.3年ですが、税金・追加修繕・借入・返還される預け金等を含まない概算です。
利益が出る計画でも、予約サイトの入金前に家賃や清掃代の支払いが来ることがあります。開業が遅れる場合や低稼働の月に、何か月分の支出を支えられるかも確認してください。
営業日数の制度:観光庁「住宅宿泊事業法とは?」
今日から始めるなら
- 物件ごとの初期費用の見積もりを集める
- 清掃回数と手数料まで入れた月間収支を作る
- 営業日数の上限と閑散期を入れた年間収支を確認する
「売上がいくらか」だけでなく、「手元にいくら残るか」まで見て判断しましょう。
返還や原状回復の条件は契約によって異なります。動画の説明とあわせて、ご自身の契約書を確認してください。




