この記事でわかること

  • 民泊がどのような事業なのか
  • 売上が生まれ、利益が残るまでの流れ
  • 始める前に知っておきたい準備と運営業務

民泊の事業モデルはとてもシンプルです。宿泊できる部屋を用意し、旅行者に泊まってもらい、宿泊料金を受け取ります。物件を購入しなくても、所有者の承諾を得た賃貸物件で始めることができます。ただし、どんな物件でも自由に始められるわけではありません。所有者の承諾、行政上の手続き、宿泊者を受け入れる準備が必要です。

そもそも、民泊とは?

民泊は、民間の住宅や部屋を一時的に旅行者へ貸し出し、宿泊料を受け取るサービスです。宿泊者はAirbnbなどの予約サイトで部屋を探し、予約と支払いを行います。

一般の賃貸は入居者が一定期間その部屋で暮らしますが、民泊では数日単位の短い滞在を受け入れます。そのため、部屋を貸すだけでなく、家具・家電や備品の準備、清掃、予約管理、宿泊者への案内までが事業に含まれます。

民泊の事業モデル

賃貸物件を使う場合は、物件を借りて宿泊できる状態に整え、予約サイトを通して旅行者に提供します。受け取った宿泊料金から、家賃や清掃費、光熱費、予約サイトの手数料などを支払い、残った金額が利益になります。

物件所有者の承諾を得て
部屋を用意
掲載予約サイトで
旅行者を募集
売上宿泊料金を
受け取る
利益家賃・経費を
差し引く
宿泊売上家賃・清掃費・光熱費・手数料など利益

収支イメージの例

宿泊料金1泊 15,000円×月間宿泊日数20日月間売上300,000円
家賃
100,000円
清掃費
56,000円
消耗品
15,000円
Wi-Fi・光熱費・その他
40,000円
月間経費
211,000円
300,000円211,000円月間利益 89,000円
事業モデルを理解するための簡易的な例です。実際の宿泊料金、稼働率、清掃回数、光熱費、予約サイト手数料などは、物件や時期、運営方法によって変わります。税金や開業時の初期費用は含んでいません。

売上が大きくても、家賃や清掃費が高ければ利益は残りません。宿泊料金と稼働率だけでなく、運営にかかる費用まで含めて考えることが大切です。

また、物件の契約、申請、消防設備、家具・家電、内装など、開業前にも費用がかかります。毎月の利益だけを見るのではなく、最初に使った費用をどのくらいの期間で回収できるかまで試算しましょう。

内容参考:坂本貴洋『いちばんやさしく教える 民泊の始め方

始めるために必要な3つのこと

01

民泊に使える物件

賃貸の場合は、所有者から民泊利用について明確な承諾を得ます。マンションでは管理規約や管理組合の方針も確認します。

02

行政上の手続き

住宅宿泊事業の届出、旅館業の許可、特区民泊など、地域と物件に合う制度を確認します。

03

宿泊できる部屋と運営体制

家具・家電、消防設備、清掃、鍵の受け渡し、問い合わせ対応などを準備します。

制度の基礎情報:観光庁「住宅宿泊事業法(民泊新法)とは?」

自分で運営する方法と、任せる方法

民泊の運営には、宿泊者とのメッセージ、料金調整、清掃手配、チェックイン案内、トラブル対応などがあります。すべてを自分で行う方法のほか、一部または全部を運営会社へ任せる方法もあります。

自分で運営する

運営費を抑えやすく、現場の状況を把握しやすい方法です。たとえば清掃を自分で行えば費用を抑えられますが、その分だけ自分の時間を使います。

運営を任せる

日々の負担を減らせますが、委託費がかかります。任せる範囲と、自分が確認する数字を決めておくことが大切です。

民泊の魅力

部屋のつくり方、宿泊料金、掲載写真、案内方法などを工夫し、その結果を予約数やレビューで確認できることが民泊のおもしろさです。運営が安定すれば、毎日の作業を仕組み化しやすい面もあります。

一つの物件で身につけた、清掃の仕組み、ゲスト対応、価格調整などの経験は、次の物件にも活かせます。運営を通して事業を組み立てる力が身につくことも、民泊の魅力です。

一方で、物件を借りれば必ず利益が出る事業ではありません。始める前の情報収集と収支の確認が、その後の結果を大きく左右します。

民泊の難しいところ

  • 民泊利用が認められる物件を見つける必要がある
  • 地域や建物によって利用できる制度や条件が異なる
  • 家具・家電や申請、設備などの初期費用がかかる
  • 開業前は物件探しや部屋づくりに時間がかかる
  • 宿泊者対応や清掃品質がレビューに反映される
  • 繁忙期と閑散期で売上が変わる

「簡単に始められて何もしなくても稼げる」と考えるのではなく、開業までの準備を一つずつ進め、運営後も改善を続ける事業として考えるのが現実的です。

民泊は、どんな人に向いている?

最初からすべての知識を持っている必要はありません。必要な情報を調べ、数字を確認し、宿泊者や関係者に合わせて改善できる人に向いています。

まず確認したいこと

  • 準備のための時間と初期費用を確保できるか
  • 物件や制度を確認してから判断できるか
  • 自分で行う業務と外部へ任せる業務を整理できるか